2017年 7月号 健康寿命は足から

健康寿命は足から

痛みが起きて困ったな。という時は腰とひざが圧倒的に多いものです。痛いときは痛い場所にしか意識が行かないものです。とにかく痛い場所を何とかして治してしまいたい。それが人情です。腰とひざに関して重要なポイントは足首です。骨盤の動きに関して重要な場所は肩の関節になります。ひざや腰が痛いと、歩くのもつらくなります。その人を良く見ていたら様子がわかりますね。きっと痛くて困っているだろうなと。このような時はたいてい左右の足が同じように動いてくれていません。もしくは上半身もぎこちないものです。整体では歩いても立っていても座っていても左右の差が均等になるようにしていきます。私はこのことを『体の正中を出す。』と言っています。

厚生労働省の発表では、要介護や要支援になる原因は2割が『関節疾患』2割が『認知症』2割が『脳血管障害』となっているそうです。転倒からの骨折で要支援になる方、歩けなくなることで急激に認知症に進んでしまう方がいらっしゃいます。歩くことは脳を使うこと。動けることで認知症を防ぐことにもなります。内臓の問題よりも動くことがままならないことで、自分の思い通りに健康に過ごす時間が減っているといえます。

右と左の足首がちゃんと床をとらえてくれることで、次の動作が自然に行えます。ひざも腰も足首が土台になっています。肩の関節がスムーズな状態で歩くときの手の振り方、上半身の動きも自然になります。姿かたちが健全であると、痛みも起こりにくくなります。動けることで脳の働きもよくなって、健康寿命も延びるものなのです。

どうしてお医者はひざの痛い人に運動しなさい。というのですか?

会員のHさんはひざが痛くなって、近くの整形外科の先生に診て頂きました。レントゲン撮影と画像の説明、投薬治療と一緒に運動してひざまわりの筋力をつける指導をされました。痛くて左右の膝の太さが違っているのにです。痛くて歩くのも大変な状況です。どうしてお医者さんは運動するように指導するのでしょうか?変形性膝関節炎の方は長い時間をかけて膝の変形が進んでいきます。時間とともにレントゲンの画像では悪くなっていくのが通常です。それでも60歳のときより70歳の時の方がひざは楽になっている人がいます。そういう方は運動療法を中心に保存的治療を行った場合と言われています。

あいば院に来られるひざでお悩みの患者さんは、今までにないくらい痛い場合が多いのです。そんな時は歩いたりする運動は一時中断して、整体で短期間に良くして痛みがなくなってから運動して下さいと申し上げています。長い期間ではひざの保存的治療は功を奏しても、今現在のひどい痛みは運動する気にもなれません。ひどいときは休めておいて、良くなったら歩いたり運動を再開した方が期間も短く、整体する回数も少なくて良くなります。ですので整体に来ている時は、無理に運動しようとせずに休めておいてください。とお伝えしています。

あいば健整院