階段を下りるときにひざが痛いのはなぜ?上りより下りる時がつらい理由

階段を下りるときにひざが痛いのはなぜ?上りより下りる時がつらい理由

「階段を上る時はまだ大丈夫なのに、下りる時にひざが痛い」
「ひざを痛めてから、一段ずつしか下りられなくなった」
「ハイキングでは上りより帰りの下り道がつらい」

このようなひざの痛みでお悩みの方は少なくありません。

階段を下りる時には、身体が下へ落ちていかないように、脚でブレーキをかけながら一歩ずつ降りていきます。

そのため、普段歩いている時にはそれほど気にならなくても、階段や坂道を下る時に痛みが出ることがあります。

ただし、単純に「脚の筋力が落ちたから」と決めつける必要はありません。

股関節・太もも・ひざ・足首がどのように動き、どこに力が偏っているのかを見ることが大切です。

階段を下りる時にひざが痛くなるのはなぜ?

階段を下りる時には、片脚で踏ん張りながら反対側の足を次の段へ下ろしていきます。

この時、太ももの前側にある大腿四頭筋などが働き、身体が一気に沈み込まないように動きをコントロールしています。

つまり、

片脚で身体を受け止める

ひざを曲げながら身体をゆっくり下ろす

太ももなどがブレーキをかける

ひざ周辺にも強い力が加わる

という動きになります。

特に、ひざのお皿である膝蓋骨の周囲やその裏側に問題があると、このような動作で痛みを感じやすくなります。

このようなことはありませんか?

  • ひざを痛めてから階段を下りる時に痛む
  • 一段ずつでないと降りるのが怖い
  • 手すりにつかまることが増えた
  • ハイキングでは帰り道の方がつらい
  • 下り坂になるとひざが気になる
  • 脚の衰えが進んでいるのではないかと心配になる

こうした症状が続くと、「もっと脚を鍛えた方がよいのでは」と考える方も多いと思います。

しかし、実際には筋力だけでなく、身体の使い方そのものが関係していることもあります。

本来は脚全体で衝撃を逃がしています

階段を下りる時、ひざだけで身体の重みを受け止めているわけではありません。

大腿四頭筋だけでなく、太ももの後ろ側や外側、お尻の筋肉、股関節、足首などが連動して動いています。

それぞれが役割を分担することで、着地する時の力を一か所に集めず、脚全体へ逃がしています。

ところが、

  • 身体が片側へ傾いている
  • 左右どちらかの脚に体重が偏っている
  • 股関節が十分に使えていない
  • 足首の動きが硬い
  • 歩く時の左右差が大きい

といった状態になると、この分担がうまくできなくなります。

股関節や足首が十分に動かない

脚全体で衝撃を逃がせない

一部分に力が偏る

階段を下りる時にひざが痛む

ということが起こってきます。

痛む場所は人によって違います

「階段を下りるとひざが痛い」といっても、痛む場所は同じではありません。

  • ひざの前側……膝蓋骨の周囲や裏側
  • ひざの内側……関節の内側や半月板周辺
  • ひざの外側……太ももの外側からつながる組織周辺
  • ひざの裏側……筋肉や腱の緊張、腰や神経との関係

など、それぞれ違ったところに症状が出ます。

さらに、同じ場所が痛くても、足の着き方や身体の傾き、股関節の動き方まで同じとは限りません。

痛い場所だけを見るのではなく、その場所にどうして力がかかっているのかを調べることが大切です。

筋トレやストレッチが合わないこともあります

ひざが痛くなると、

  • スクワットをする
  • 太ももの筋肉を鍛える
  • ひざ周りをストレッチする
  • 硬いところをマッサージする

といった対策を試す方が多くいらっしゃいます。

もちろん、その方の状態に合っていれば役立ちます。

ただ、すでに片方の脚に頼っている状態で同じ運動を繰り返すと、その癖をさらに強めてしまうことがあります。

実際に当院でも、良くなろうと一生懸命運動やストレッチを続けた結果、かえって痛みが長引いて来院された方がいらっしゃいます。

身体の傾き方も、重心の位置も、脚の使い方も人それぞれです。

何でも足すのではなく、今の身体に必要なことを選ぶことが大切です。

ひざだけではなく、立ち方や歩き方まで確認します

当院では、階段を下りる時にひざが痛む場合でも、痛いところだけを整えて終わることはありません。

まず、

  • 左右のひざの違い
  • 立った時の身体の傾き
  • 左右の足への体重のかかり方
  • 骨盤と股関節の位置
  • 足首の動き
  • 片脚で立った時の安定性
  • 歩き方が自然であるか

などを確認します。

そして、ひざだけが頑張らなくてもよいように、股関節や足首を含めて動きのつながりを整えていきます。

最終的には、立つ・歩く・階段を降りるといった動作を、余計な力を使わず自然にできる状態を目指します。

無理に運動を宿題にすることはありません

施術後に、

「毎日スクワットをしてください」
「このストレッチを何十回してください」

というような運動を一律にお願いすることはありません。

身体を整えた後は、まずその状態になじむ時間を作っていただきます。

ご自身でケアした方がよい場合には、その日の状態に合わせて、ご自宅でも簡単にできる「活点ケア」をお伝えしています。

頑張って何かをやり続けるより、余計な刺激を減らした方がよい時期もあります。

階段を下りる時に痛む場合の対処法

痛みがある時に、何度も階段を上り下りして鍛える必要はありません。

まずは、

  • 手すりを使う
    片脚ですべてを踏ん張ろうとせず、腕の力も借りてください。
  • 一段ずつゆっくり下りる
    痛みを我慢して普段通りに降りる必要はありません。
  • 痛みが強くなる運動はいったん控える
    スクワットやストレッチの後に痛みが増える場合は、続けないようにしてください。

「動かさないと弱くなる」と焦るより、まず今どのような動きで痛みが出ているのかを確認してみてください。

このような場合は整形外科を優先してください

階段を下りる時の痛みの中には、整体より先に医療機関で検査を受けた方がよいものがあります。

  • 突然ひざが大きく腫れた
  • 赤くなり熱をもっている
  • 発熱を伴っている
  • 転倒や事故の後から強く痛む
  • 足に体重をかけられない
  • 急に脚に力が入りにくくなった
  • 両脚がもつれるようになった

このような場合には、まず整形外科などで診察を受けてください。

階段を下りる時のひざの痛みが続いている方へ

階段を下りる時にひざが痛いからといって、「ひざが弱くなった」「筋肉が足りない」とは限りません。

股関節や足首の動きが少なくなり、本来なら脚全体で受け止めていた力が、ひざの一部分へ偏っていることもあります。

ひざを揉んだり、伸ばしたり、鍛えたりしても繰り返すのであれば、一度、立ち方や歩き方を含めて身体全体を見直してみることをおすすめします。

階段を怖がらず、自然に一歩ずつ降りられる状態へ戻していくことが大切です。

階段を下りる時のひざの痛み|よくある質問

Q1.なぜ階段は上りより下りる時の方がひざが痛いのですか?

下りでは、身体が一気に落ちないように太ももの筋肉などでブレーキをかけながら一歩ずつ降ります。そのため、ひざに症状がある方では上りより下りの方につらさを感じることがあります。

Q2.階段でひざの前側が痛むのはなぜですか?

ひざを曲げながら踏ん張ると、膝蓋骨周辺にも力が加わります。股関節や足首が十分に使えていないと、この部分へ負担が偏ることもあります。

Q3.階段でひざが痛い時は筋トレをした方がよいですか?

筋力トレーニングが役立つ場合もありますが、すべての方に同じ運動が適しているわけではありません。運動後に痛みが強くなる場合は無理に続けないでください。

Q4.ひざが痛い時は階段を使わない方がよいですか?

完全に避ける必要はありませんが、痛みを我慢して普段通りに降りる必要もありません。手すりを使う、一段ずつ降りるなど、楽に動ける方法を選んでください。

Q5.階段を下りる時のひざの痛みは整体でみてもらえますか?

身体の傾きや左右の体重差、股関節や足首の動きなどが関係している場合は、身体全体を確認することが大切です。ただし、急な腫れや熱感、発熱、外傷後の強い痛みなどがある場合は医療機関を優先してください。

ひざの症状について詳しく知りたい方へ

階段での痛みは、ひざの前側・内側・外側など、症状が出る場所によって状態も異なります。
ご自身の症状に近いものがあれば、以下のページも参考にしてください。

ひざの痛み

歩き始めや立ち上がり、階段など、日常生活で起こるひざの痛みについてまとめています。
股関節や足首とのつながりを含めた、当院の施術方法も紹介しています。

変形性膝関節症

変形性膝関節症と診断され、歩行や階段での痛みが続いている方のためのページです。
関節の変形だけでなく、立ち方や歩き方から見直す考え方を詳しく説明しています。

ひざの半月板

ひざの内側や外側が痛む、曲げ伸ばしで引っかかる感じがある方に関連するページです。
半月板周辺へ負担がかかる仕組みと、身体全体との関係について紹介しています。

ひざに水がたまる

ひざが腫れる、曲げにくい、水を抜いても繰り返すという方はこちらをご覧ください。
ひざに水がたまる仕組みと、繰り返す場合に確認しておきたいポイントをまとめています。